5年生存率

がんと診断されて、5年後に生存している割合を5年相対生存率と言います。

2006年から2008年にがんと診断された人の5年相対生存率は男女計で62.1％（男性59.1％、女性66.0％）で、男女とも膵臓がんが最も低く、男性では前立腺がんが、女性では甲状腺がんが良好です。

5年生存率と言っても、単に生死 を評価する場合は全生存率（overall survival，OS） 、疾患がない状態での生存 を評価する場合は無病生存率（disease-free survival，DFS）などあり、がんにおいては再発しても生存していれば生存（OS)に含まれます。

がんの5年生存率は、臓器によっても異なることはもちろんのこと、各種がんのステージによってもガラッと変わってきます。胃がん、大腸がんはステージIであれば、5年生存率は90%以上ある一方で、ステージIVとなると極端に低下（胃がんで約8％、大腸がんで20％以下）します。

通常OS（全生存率）にしても、DFS（無病生存率）にしても、Kaplan-Meier（カプランマイヤー）法による生存率の計算を行います。計算は統計ソフトに委ねますが、画像イメージとして理解しやすいですし、論文はほぼ常にカプランマイヤー法で生存率が公表されます。

PharmaTribune 2012年12月号参照

5年生存率は消化器がんでは、5年再発なく生存できればほぼ完治したと言えます。一方で、乳がん、甲状腺がんなど10年は見ていかないと根治したと言えないがん腫もあります。じゃあ例えば手術を受けて5年無再発で経過した場合、経過観察を受けている病院に保険診療で行けなくなるのかと言えばそうではありません。診療録の診断名にがんが記載されている限り、保険診療での検査は問題なく継続できます。したがって、5年を過ぎても消化器がん治療歴があれば、引き続き定期検査をある意味人間ドックのような位置づけとして、定期検査を受けることをお勧めします。

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