プロフィール
私は、1980年代後半に医師免許を取得し、同時に外科医となり、現在急性期病院で一般消化器外科の診療に従事しています。これまでに、いろいろな病院で働きながら、動物実験で医学博士を取得し、米国にVisiting Surgeonとして1年間留学し、日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医、日本肝胆膵外科学会高度技能指導医、日本内視鏡外科学会技術認定医を取得してきました。
これまで、四半世紀余りの外科医人生を振り返り、この領域の知識・経験・技術について記録を残し、世の中にアウトプットしたくなり、「いつまでも現在進行形、完結なし」というコンセプトのもと、「消化器がん情報 The Professional」というサイトを立ち上げました。
参照:がん情報サイト
消化器がん情報 The Professionalというタイトルから、「消化器がん予防」、「消化器がんの早期発見」、「なった時の病院選び、医師選び」、「消化器がんとは」、「治療(手術、化学療法、放射線治療)の予備知識」、「がん保険」、「補完代替療法」、「緩和ケア」、「医師は」何を考えている?」等々、メッセージコンテンツは、かなりの量に上るものと思います。私自身、何かを残したいと考え、万全の準備はありませんが、見切り発射的にスタートして、修正を加えながら、また皆様のご意見に耳を傾けながら、いつまでも現在進行形で情報発信できればと考えています。
がん(悪性新生物)は死因の増加の一途をたどっています。
このような現状で、がんは、遺伝的素因、生活習慣を踏まえ、早期発見、そのためにはどうするか、症状、検査、診断のプロセス、治療法(特に外科治療、化学療法、放射線療法)などに実地臨床家として日々携わり、がんと診断されたときどのような対策を練るか(病院選び、医師選びなど)、行政サポート、がん保険、緩和ケアなど個々人によって様々な問題点が浮き彫りにされてきます。私は職業人外科医として、こういったことに対する知識、経験、技術を30年にわたり培ってきました。
職業人以外からの情報発信は、自身の経験がサイトに包埋されていません。したがって、情報サイトの寄せ集めであり、専門的分野の執筆を医療プロフェッショナルの他者に依存するしか手がないデメリットを持っています。一方でしっかりした医療情報サイトを構築される努力には敬意を表します。
また、がん関連の公的ホームページはデーターの信頼性においては抜群ですが、双方向的コミュニケーションとは成り難く一方通行となります。医療は、個々の環境により診療ガイドラインや大規模なリサーチにより有益な情報を提供する媒体となることは確実ですが、がんを宣告された方、その方の背景因子(年齢や地域、哲学など)オーダーメード型になるのが理想と考えています。
そこで、職業人としてプロの立場から、それぞれ異なる背景の方々に、本ポータルサイトの一部でも【これは自分のシチュエーションにマッチしている】と思われるコンテンツを内包できればと思い、サイトを立ち上げた次第です。
医療は日進月歩です。5年ほどで常識が非常識に、また非常識が常識になることもしばしばあります。また、議論の余地ある領域(Controvercial=A医師はこう考えるが、B医師はA医師と全く逆のことを推奨するといったこと)もよくあります。
このサイトでのメッセージがすべて正しいとは、決して言い切れません。ガイドラインや科学的根拠(EBM:Evidence-based medicine)は概ねグローバルスタンダードとして、日本、あるいは世界の医療界でコンセンサスが得られています。ただし、ガイドラインや科学的根拠すら10年後に、かなり改変されていることも、今までの医療の歴史がそれを物語ります。そういった歴史的事実を元に、このサイトも変化、進化を必要とするものと思っています。
日本人の二人に一人が、一生涯でがんに罹患し、年間60万人の方ががんと診断され、30万人の方ががんで亡くなります。がんは日本では死因の第1位であり、死因の約30%を占めます。
30年余り、一般・消化器外科医として、いろいろな経験・技術、知識を積み重ねてきました。外科医を含め医師は、患者さんと通常一対一で対峙することになります。この蓄積経験が、必要としておられる方々に広く発信できればとの思いです。また、メディカルスタッフや医療関連企業の方々へのメッセージボードになればとの思いもあります。
サイトの構築は、私自身の勉強にもなり、改めて外科医療を見直す機会ともなりますし、「消化器がん情報 The Professional」というタイトルが示す通り、職業人から見たがん、特に消化器がんの疫学、早期発見、症状、診断、治療及びそれにまつわる情報を、一般の方のみならず、医療関係者の方に提供できればと考えています。
医療界は、日進月歩で、議論の余地ある領域がたくさんあります。したがって、本サイトの内容が、常に正論であるとは全く思っていません。内容に異議や不満、加えて誤字、脱字などあれば、お問い合わせより、指摘してください。