医師に向き不向きはある?

医師に向き不向きはある?

 

 

受験生の皆さん!頑張っていますか!読者の中には、医学部の受験を考えてる学生さんや、その親御さんもいらっしゃることだと思います。

 

コミュニケーション力

 

医学部受験には、東大の理科III類も2018年度から、面接を復活させることが決まっています。主な目的は、受験能力だけでなく、コミュニケーションスキルを評価することになっているようです。

 

医師にコミュニケーションスキルは重要か?』となれば、『医師には必ずしもコミュニケーションスキルは重要ではありません、ただし、医者にはコミュニケーション能力は高いほうが仕事はしやすいでしょう』と言った答えになるかと思います。

 

医者、ここでは臨床医を考えますと、患者さんから訴えを聞く、人相手の職業です。人相手の職業では、コミュニケーションから始まり、信頼関係の構築へと発展していきます。繁盛している開業医のドクターは、共通してコミュニケーションとホスピタリティースキルが充実していますよね。

 

私は、高校までは内弁慶で、緊張しやすく、どちらかと言えばもじもじしていたように思います。コミュニケーション力は、外科医のキャリに応じて、身についてきたように思います。

 

コミュニケーション力は、看護師や薬剤師、放射線技師、検査技師、事務方といったメディカルスタッフとうまくやっていくために、スキルとして磨いていくことは大事です。

 

医学部受験生の面接も経験がありますが、履歴書に書くことと、質疑応答は受験対策の一環として、しっかり模範解答が準備されているように思います。面接が得意なのは、概ね浪人歴のある女子学生で、不得手なのは現役男子高校生です。

 

その辺は面接側もよくわかっていますので、面接でそれほど差がつくようなことはありません。常識的な振る舞いと、応答ですよね。

 

面接は主にコミュニケーション力とこれまでの実績、人としての基本的振る舞い、将来の可能性などを見るわけですが、15分ほどの時間で客観的に判断するのは非常に厳しいものですし、医学部に入って医師となっても、変わっていくものですから、あくまでも参考程度です。

 

余程、非常識的な対応や横柄な態度をとらず、準備してきたマニュアル的な対応をすれば、ほぼ問題ないですし、面接の時点で受験生の将来にさほど期待をすることもありません。

 

本題のコミュニケーション力ついて、じゃあコミュニケーションスキルが弱いと医者に不向きなのか?という疑問には、大雑把に言いますと医者には不向きかもしれません。

 

ただし、あくまでも大雑把に、あるいは平均的な医者にとっては、という意味で、例外も多分にあるかもしれません。

 

医者は、日本ではすべて医師(ドクター)となります。医師には、臨床勤務医や開業医などに加えて、研究医(リサーチドクター)、行政医官(矯正医官、在外医官、自治体の医官、保健所など)などのフィールドもあります。

 

患者さんと対峙しないフィールドもかなりあるわけです。こういった領域では、研究医では業績に応じて、地位、肩書もしっかり上がっていきます。行政医官も粛々とあるいは医療行政でしっかり実績を積めば、リスペクトされる立場となるわけです。

 

コミュニケーションスキルはないよりあった方が良いかもしれませんが、必ずしもそれのみあれば、医師として大成するかと言えば、私は『No』だと思っています。

 

何より大事な、優先順位の高い項目は、それぞれのフィールドで実績を残すことだと思います。

 

倫理観と社会通念上に基づくマインド

 

日本医師会は、『ヒポクラテスの誓い』と『ジュネーブ宣言』を医師のあるべき基本理念としています。概要はある程度理解していますが、日本の医師でこれらに書かれている文言を正確に覚えているドクターは、あまりというかほぼいないのではと思います。

 

要は、『一般的な倫理観といわゆる社会通念上に基づいたマインド』、これさえあれば、医師に向いているとも言えると思いますよ。マハトマガンジーやマザーテレサのように生きるのは100%無理です。

 

労基法によれば、勤務歴3年以上の常勤者は年間20日の年休をとれるようです。勤務医もこれの枠にはめれば、かなり休みが取れるわけです。ただし、僕の経験上、或いは周りのドクターもここまで年休を取ることはありません。

 

これで、周りのドクターや雇用側の病院に配慮なく、年休をズバズバ取っていまうと、For the patientで生きている医師として、『社会通念上どうなの?』となるわけです。

 

今では、こう言ってはいますが、10年も経つと、私の意見が非常識になるかもしれません。何故なら、常識・非常識は時とともに変わっていきます。労基法が医師の応召義務を凌駕する時代がやってくるかもしれません。

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