消化器がん化学療法
消化器がん化学療法は、大腸がんをトップに実に様々な抗がん剤が保険収載されています。
抗がん剤の中には、殺細胞効果のある抗がん剤、分子標的治療剤、免疫チェックポイント阻害剤も胃がんの三次治療として保険収載されました。
食道がんの化学療法のベースは
、扁平上皮がんをダーゲットとした抗がん剤がペースとなり、下記薬剤が主たるものとなります。
フッ化ピリミジン系薬剤:フルオロウラシル(5-FU)
プラチナ系薬剤:シスプラチン、ネダプラチン
タキサン系薬剤:ドセタキセル(タキソテール)、パクリタキセル(タキソール)
現在の食道がんに対する標準的な化学療法は、フルオロウラシルとシスプラチンの併用療法です。
胃がんの化学療法のベースは、
フルオロピリミジン系薬剤(フルオロウラシル[商品名:5−FU]、S-1、カペシタビンなど)
プラチナ系薬剤(シスプラチン、オキサリプラチン)
タキサン系薬剤(パクリタキセル、ドセタキセル)
塩酸イリノテカン、ラムシルマブなど
胃がんの薬物療法(化学療法)には、手術と組み合わせて行われる「補助化学療法」と、手術による治癒が難しい状況で延命や症状コントロール目的で行われる緩和的化学療法があります。緩和的化学療法は、胃がんを完全に治すことが難しい場合でも、がん自体の進行を抑え、延命および症状を軽減することを目標として行われます。
胃がんの10〜20%では、「HER2(ハーツー)」と呼ばれるタンパク質ががん細胞の増殖に関与しているため、HER2検査が陽性の場合は、分子標的薬のトラスツズマブを併用した化学療法が行われます。
大腸がんの化学療法のベースは、
経口薬:5-FU,tegafur,UFT,doxifluridine(5’-DFUR),carmofur(HCFU),S-1(S),UFT+LV,capecitabine(Cape),regorafenib など
注射薬:5-FU,mitomycin C,irinotecan(IRI),5-FU+l-leucovorin(LV),oxaliplatin(OX),bevacizumab(Bmab),cetuximab(Cmab),panitumumab(Pmab)など
1) 補助化学療法 (手術後再発予防として使用されるレジメン)
(日本における保険適応収載順)
5-FU+LV 注
UFT+LV
Cape
FOLFOX
CapeOX
2) 切除不能進行再発大腸癌に対する化学療法
一次治療
臨床試験において有用性が示されており,かつ保険診療として国内で使用可能な一次治療としてのレジメンは以下の通りである。
(1)強力な治療が適応となる患者
FOLFOX +Bmab
CapeOX +Bmab
FOLFIRI +Bmab
FOLFOX+Cmab/Pmab
FOLFIRI+Cmab/Pmab
FOLFOXIRI
Infusional 5-FU+LV+Bmab
Cape+Bmab
UFT+LV
(2)強力な治療が適応とならない患者
Infusional 5-FU+LV+Bmab
Cape+Bmab
UFT+LV
二次治療
二次治療として以下のレジメンを考慮する。
(1)強力な治療が適応となる患者
(a)OX を含むレジメンに不応・不耐となった場合
FOLFIRI+Bmab
IRIS
IRI
FOLFIRI(またはIRI)+Cmab/Pmab
(b)IRI を含むレジメンに不応・不耐となった場合
FOLFOX+Bmab
CapeOX +Bmab
(c)5-FU,OX,IRI を含むレジメンに不応・不耐となった場合
IRI+Cmab/Pmab
Cmab/Pmab
(2)強力な治療が適応とならない患者
BSC
可能なら,最適と判断されるレジメンを考慮
三次治療以降
三次治療以降の化学療法として次のレジメンを考慮する。
IRI+Cmab/Pmab
Cmab/Pmab
regorafenib
肝臓がんの化学療法のベースは、
経口薬であるソラフェニブ(ネクサバール)
胆道がんの化学療法のベースは、
ゲムシタビン+シスプラチン併用療法
膵臓がんの化学療法のベースは、
(1)術後補助化学療法
TS-1:ティーエスワン単剤療法
ゲムシタビン単剤治療
(2)手術ができない場合や再発した場合の化学療法
・FOLFIRINOX療法 (フルオロウラシル[5-FU]+レボホリナートカルシウム+イリノテカン+オキサリプラチン)
・ゲムシタビン(ジェムザール)+ナブパクリタキセル(アブラキサン)併用療法
・ゲムシタビン単剤治療
・ゲムシタビン+エルロチニブ(タルセバ)併用療法
・テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(TS-1:ティーエスワン)
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