がん免疫監視機構
免疫監視機構とは、生体を防御するための免疫監視機構の働きのことで、主に下記4つの働きがあります。
１）感染やがん細胞を発見します
２）これらの細胞を除去または抑制するため、エフェクター 機能を発揮します
３）体内の正常な細胞への影響を最小限に抑えるため、 自己制御を行います
４）同じ抗原に効率的に反応できるよう、抗原を記憶します
免疫監視機構の構成
T細胞活性化: 腫瘍関連抗原
T細胞活性化: 細胞傷害性T細胞
免疫によるがん細胞の認識と破壊という免疫監視機構により、がん細胞が質的な変化を経て、腫瘍が形成されるまでの過程は、がん免疫編集機構（cancer immunoediting）として知られています1。がん免疫編集機構は、3つの相で構成されています1,2 。
排除相 （免疫監視機構） ：免疫監視機構によりがん細胞は認識され、排除されます1,2 。破壊されなかったがん細胞は、平衡相に入ります1,2 。
平衡相 （がん休眠） ：がん細胞は残存しているものの、免疫監視機構ががん細胞の増殖を防ぎます1,2 。
逃避相 （がんの進行） ：がん細胞が免疫監視機構による認識・排除から逃れる能力を獲得します1,2 。その結果、臨床においてがんが顕在化します2 。
がん細胞が獲得する特性として、「免疫監視機構から逃れる能力」があります。がん細胞が免疫監視機構による認識・排除から逃れることが、腫瘍の増殖・進行につながります。これには様々なメカニズムが関与することが報告されており、現在、がん治療の研究対象となっています。
がん治療の柱
患者さん自身が持つ免疫監視機構に作用してがんと闘う「新たながん免疫療法」の研究が進んでおり3-5、現在 900以上の臨床試験が行われています。
がん全般における新たながん免疫療法の可能性
上記の表からも、免疫チェックポイント阻害剤の適応拡大が徐々に進むとみています。
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