学会の意義

学会の意義

医学界は、学会がたくさんあります。私が入っているものだけでも日本外科学会、日本消化器外科学会、日本肝胆膵外科学会、日本内視鏡外科学会、日本臨床外科学会、International Hepato-Pancreato-Biliary Association, Asian-Pacific Hepato-Pancreato-Biliary Association、などなどです。

 

さらに、地方の学会や研究会を合わせると、倍々ゲームのようになってきます。年会費や学会参加費、資格の取得や資格維持費だけでも、多い時で、年に20万円を超えることもあります。学会は「参加」と「発表」に、それぞれ意義があります。

 

学会参加により得られるものとして、1)資格の更新に必要なクレジット、例えば外科専門医の資格更新には、日本外科学会への参加が義務付けられています。

 

2)現状の医療水準の把握、例えばどこまでの治療が、どういった施設で、どれくらいの成績で行われているか。

 

3)スペシャリストとの交流ー学会では発表の場で、質疑応答の時間が作られていますし、期間中に懇親会があります。そういった時に、その分野の第1人者と直接話をし、貴重な意見を聞くことが可能です。

 

4)ついでに観光も可能です。特に国際学会では、貴重な経験になります。私もアルゼンチンのイグアスの滝やケープタウン、マラッカ海峡、上海、アメリカ西海岸、メルボルン、マイアミなどなど行きました。

 

学会発表により得られるものとして、1)文献検索スキル、例えば邦文では医中誌、英文ではPubmedという文献検索サイトをよく利用します。

 

2)Word、Excel、PowerPointに習熟し、統計学を学べ、プレゼンテーションの場数を踏むことができます。

 

3)稀な病気や難易度の高い治療戦略を織り交ぜた症例報告、後ろ向き比較試験、前向き比較試験、総説などなど、専門領域の発表スタイルには様々なものがあります。

 

4)論文作成へのファーストステップとなります。発表まででは、大げさに言えば歴史に名が残らず、論文まで至れば、論文のインパクトに応じて、歴史に名が残ります。

 

5)臨床医として幅を広げる絶好の機会となります。まだ他にも学会発表のメリットは、多々ありますが、一線で活躍している外科医は、学会発表の機会も概して多いというのが事実です。

 

 

 

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