日本外科学会専門医

日本外科学会専門医

日本外科学会専門医とは、HPから抜粋しますと、「医の倫理を体得し、医療を適正に実践すべく一定の修練を経て、診断、手術および術前後の管理・処置・ケアなど、一般外科医療に関する標準的な知識と技量を修得した医師のことである。具体的には350例以上の手術手技を経験(うち120例以上は術者としての経験が必要)し、一定の資格認定試験を経て認定される。また、この専門医は消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科および小児外科などの関連外科(サブスペシャルティ)専門医を取得する際に必要な基盤となる共通の資格である。この専門医の維持と更新には、最新の知識・技術を継続して学習し、安全かつ確実な医療を実施していることが必須条件となる。外科専門医は広告することができる医師の専門性に関する資格の一つとして、厚生労働省に認可されている(平成15年 4 月25日付)。」となっています。

 

概略は、1)初期臨床研修期間を含めて、最短で卒後5年で取得が可能であること、2)30単位の学会参加(日本外科学会は10単位)と予備試験及び認定試験、面接が必要なこと、3)万遍な外科医療の経験(外傷、救急、消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科、乳腺外科など)を必要とすること、4)これを取得しないと、サブスペシャリティ(消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科)の専門医を取得できないこと、5)外科医の基本的な資格であること、6)広告が可能であること、7)外科専門医を取得していてもイニシャチブを取って手術をプランニングし実施することは、まだあまり期待できないこと、などです。

 

取得する側から見れば、1)大体の外科手術の周術期(術前術後)管理は自信をもってできること、2)消化器外科希望者であれば、アッペ(虫垂切除)やラパコレ(腹腔鏡下胆嚢摘出術)はもちろんのこと、胃切除や結腸切除といった中難度の手術は術者としてできること、3)学会発表では邦文症例報告は経験済み、4)患者さんへの対応も、概ね自信をもってできるようになっているということ、5)履歴書や病院ホームページに記載できること、6)取得したころには、サブスペシャリティの領域に既に入っていること、7)これから外科医として生きていこうという起爆剤になること、などです。

 

日本外科学会の会員39,797人中、専門医取得者は21,608名(54%)、ちなみに日本外科学会指導医の取得者数は6,597名(17%)(2015年9月時点)です。日本外科学会指導医の条件は、専門医取得後、10年以上を必要とし、筆頭論文を5個必要とします。

 

アメリカのサージカルボード(American Board of Surgery)が、日本外科学会専門医と似たような資格になりますが、両者には決定的な二つの違いがあります。インセンティブの付与と難易度です。米国では、サージカルボードを取得すると、給与が3倍とも5倍ともなるといわれています。難易度は、米国ではるかに高く、ボードを取得するためには、ピラミッド構造になっており、経年的に脱落者が出てきて、競争社会に勝ち抜く必要があります。

 

いずれにしても、日本外科学会専門医は、日本で外科医を生業とする以上、登竜門ともいうべき、必須の資格です。

 

 

 このエントリーをはてなブックマークに追加 
style="display:inline-block;width:300px;height:250px" data-ad-client="ca-pub-2656827775829347" data-ad-slot="3373119799"> (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
style="display:inline-block;width:300px;height:250px" data-ad-client="ca-pub-2656827775829347" data-ad-slot="3289359312"> (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});


HOME プロフィールとサイトの概要 お問い合わせ サイトマップ