日本消化器外科学会専門医

日本消化器外科学会専門医

日本消化器外科学会専門医は、1)臨床研修終了後、日本消化器外科学会の指定修練施設で5年以上の修練、2)外科専門医、3)450例以上の診療経験、4)研究発表6件以上(論文3編を含む)、5)日本消化器外科学会の参加と教育講座の受講が申請資格条件になります。

 

申請後、年1回の筆記試験と口頭試問に合格すれば、取得となります。合格率は約70%です。

 

最短で卒後8年目に取得でき、急性期病院で、消化器外科を生業として続けていく為には、ほぼ必須の資格と考えられます。2015年8月時点、消化器外科専門医の数は6068人で、日本消化器外科学会の会員数20512人の、30%です。

 

取得の障壁は、1)論文3編の作成、2)筆記試験が結構難しい、この二つです。他の申請資格条件は、普通に消化器外科医をしておれば、充分満たされます。

 

論文は、邦文(日本語)の症例報告を商業雑誌(比較的投稿が易しいとされるジャーナル)に投稿した場合でも1編とカウントされますし、英文で原著論文や総説を書いても、同様に1編です。割り切って考えれば、邦文の症例報告を3編書けば済むわけです。

 

筆記試験は、準備をしなければ、ほぼ落ちます。日常診療で、いろいろなことを経験して、覚えてきたやろ、と思われるかもしれませんが、これだけでは、必ずと言っていいほど落ちます。結構、重箱の隅をつつくような問題が出ます。テキストを絞って、筆記試験対策をする必要があります。メジカルビュー社の消化器外科専門医へのminimal requirements(2013年11月第2版)などがお勧めです。

 

私は15年ほど前に同資格を、10年ほど前に日本消化器外科学会指導医(4961人、2015年8月現在)を取得しました。指導医は専門医を取って普通に仕事を続ければ、取れます。

 

日本消化器外科学会専門医は、消化器外科に関する技術、経験、知識において、一定水準は担保されていると思います。ただ、有資格者だからと言って手術が上手いかどうかはわかりません。手術の実技審査がないからです。

 

日本ではこういった資格に対してのインセンティブが、ほぼありません。有資格者が消化器外科手術を行っても、無資格者が行っても診療報酬点数は同じです。これはやはり改善する必要があると思います。資格という名誉のみで満足したり、モチベーションを上げることは、日本人と言えども、無理だと思います。米国では、サージカルボード(米国外科の専門医制度)を取れば、給与が5倍にも上がるといわれています。

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