肝臓がん診断治療のシミュレーション
消化器がんの診断治療はどういった過程でなされていくのかについて、肝臓がんの場合で考えてみたいと思います。
肝臓がんは大きく、原発性肝細胞がんと胆管細胞がんに分けられます。ここでは、9割以上を占める原発性肝細胞がんを中心に診断治療のシミュレーションを行ってみます。
まず、原発性肝細胞がんが発見されるシナリオとしては、1)ウイルス性慢性肝炎、肝硬変の経過観察中に発見される、2)検診や医療機関での腹部エコー、CTを撮像したときにたまたま発見される、3)原発性肝細胞がんで有症状化することは、かなり進展しない限りありません。稀に肝がん破裂により、急性腹症、ショックとして発症することがあります。主にこの3通りが診断の契機となります。
原発性肝細胞がんの背景因子は、C型肝炎-肝硬変が70%、B型肝炎-肝硬変が10%、その他が20%です。
その他の中には、アルコール、自己免疫性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、正常肝臓などが含まれます。
したがって、C型肝炎ウイルス陽性の方は、原発性肝細胞がん発症の高危険群として、医療機関で定期的にフォローされますし、発癌と肝炎の進行抑止のためインターフェロン治療が一般的に行われます。HCV抗体やHBs抗原が陽性で、障害肝が進むほど、つまり慢性肝炎〜肝硬変へなっていくほど、発がん率が高まります。
腹部エコーやCTでたまたま発見される場合、HCV抗体やHBs抗原に感染していることを、そもそも本人が知らないことが多いです。肝障害がある程度進んでも、自覚症状が出ないことが多いです。一般的な自覚症状は全身倦怠感(何となく体がだるい)です。或は、その他(アルコール性、脂肪肝由来、正常肝)の場合です。
肝がんで有症状化する場合は、発育と共に横隔膜に進展する、左葉に発生し、胃を圧排する、下大静脈を圧排し、下腿浮腫などが出現する、などです。
また、肝細胞がんは、もっぱら動脈によって栄養されているので、肝臓の辺縁に発生し、巨大化したとき、破裂することがあります。この場合、急性腹症、ショックに至ることもあり、緊急治療が必要となります。
精密検査は、造影CTやEOB-MRI、腫瘍マーカー(AFP、PIVKA-II)が必須であり、同時に、肝予備能検査が必須となります。肝予備能評価には、一般血液生化学検査に加えて、Child-Pugh Score、ICG試験、肝障害度、アシアロ肝シンチなどが行われます。
何故、肝予備能検査が必要かと言いますと、肝がん発生の背景に障害肝があり、肝硬変などで肝予備能が落ちていると、肝切除などの侵襲を伴う治療がそもそもできないからです。肝予備力を無視して、侵襲を伴う治療を行うと、肝不全によって命を落としてしまします。
したがって、肝がん治療は、肝がんの進行度と肝予備能のバランスにより決定されます。
がんの治療方針としては、1)手術(肝切除)、2)焼灼療法(マイクロ波、ラジオ波)、3)塞栓療法、4)全身化学療法、5)肝移植の5つがあります。
概要的には、肝予備能が保持されて、3個までのがんであれば、肝切除主体に治療戦略が構築されます。
肝予備能が保持されて、4個以上のがんであれば、塞栓療法や化学療法が主体になります。肝予備能がほとんどなく、がんが治る可能性があれば(3個まで)、肝移植が保険で行われます。
肝予備能がほとんどなく、4個以上のがんであれば、緩和医療となります。
肝切除は出血制御と肝不全対策がしっかりしてきて、現在ではかなり安全な手術となってきました。腹腔鏡下肝切除も部分切除と外側区域切除は保険収載され、安全性、根治性も担保されてきたと思います。
しかし、それより大きな腹腔鏡下肝切除は、条件付きで保険収載されてきましたが、どの医療機関でも行うにはまだ時期早々だと私は思っています。
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