肝臓がん原因と疫学
(概念) 原発性肝癌のうち、肝細胞に由来するもの(約95%)。ちなみに胆管細胞に由来するものは肝内胆管癌(約4%)。
(原因) 肝炎ウイルス由来のものが多く、HCV(+)が約65%、HBV(+)が約15%、他にアルコール性もあります。最近は、非B非C型、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)からの発癌も注目されています。
(疫学) 年間死亡者数約3万人(2010年)、男女比2.5:1、西日本に多く、最近は肝炎治療薬(インターフェロン・核酸アナログ)により、肝癌の発癌は減少しています。
(危険因子) 肝硬変、慢性肝炎(C型、B型)の患者さんは、定期的に肝細胞癌のスクリーニング検査(腹部超音波検査、CTなど)を行うべきとされています。
肝臓がんは、原因が何であれ、肝障害度の増悪に連れ、発がん率が高まってきます。慢性肝炎、代償性肝硬変、非代償性肝硬変となるに従い、発がん率が高まります。
肝臓がんは、C型肝炎からの発症が最も多かったですが、有効治療薬ハーボニーの出現をみて背景因子としては減ってきています。B型肝炎もほぼ制御されてきました。今後は非アルコール性脂肪性肝炎からの発症や脂肪肝からなどが割合的には多くなってきます。全体的には肝臓がん(原発性肝細胞がん)は減っていくでしょう。
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