胆道がん診断
(検査) 血液検査で閉塞性黄疸のパターン(ビリルビン、ALP、γ-GTPの上昇)と腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)の上昇。US、CTで胆管の拡張や腫瘍の同定、進展度診断を行う。続いて、MRI/MRCP・ERCP・EUS・IDUS・胆汁細胞診にて、最終的に質的・進展度診断を行います。
【用語一覧】
黄疸:がんによって、胆汁の十二指腸への流れが阻害され、胆汁中のビリルビンが血中に移行します。その結果、高ビリルビン血症となり、白眼、皮膚の順に黄染してきます。このパターンを閉塞性黄疸といいます。
皮膚掻痒感:高ビリルビン血症となると、同時に胆汁酸も増えてきて、これが末梢神経を刺激することにより、掻痒感(かゆみ)が生じます。
灰白色便:閉塞性黄疸になると便の色が薄くなり、最終的には兎の糞のように、コロッとした灰白色便となります。これは、閉塞性黄疸により茶褐色の胆汁が腸管に移行しないことでおこります。
Courvoisier(クールボアジェ)徴候:3管合流部より下流の胆管閉塞により、胆嚢内に胆汁が蓄積し、無痛性の胆嚢腫大が起こること。膵頭部領域がんや中下部胆管がんで通常見られます。
ERCP:内視鏡的逆行性胆道膵管造影(Endoscopic retrograde cholangio-pancreatography)内視鏡を使って胆管・膵管を造影する検査です。 口から十二指腸まで内視鏡を入れ、その先端から膵管・胆管の中にカテーテル(細い管)を挿入します。 カテーテルから造影剤を入れて、膵管や胆管のX線写真をとります。 同時に膵液や胆汁を採取したり、病変部から組織や細胞を取って検査を行うこともあります。
IDUS:管腔内超音波検査(Intraductal ultrasonography)一般的に、体表からあてて内臓をみる体外超音波検査と異なり、ERCP下に、胆管や膵管に細長い管状の超音波を入れ、精細な超音波画像を得る方法です。
ENBD:内視鏡的経鼻(けいび)胆管ドレナージ(Endoscopic nasobiliary drainage)
ドレナージチューブ(細い排出用の管)を用いて胆汁を鼻から体外に出す方法。
ERBD:内視鏡的逆行性胆管ドレナージ法(Endoscopic retrograde biliary drainage)
胆管の十二指腸への出口である十二指腸乳頭へと内視鏡を用いてドレナージチューブを挿入していき、胆汁の流れを維持する方法。
PTCD:経皮経肝胆管ドレナージ(percutaneous transhepatic cholangio drainage)
拡張した胆管に体外から針を刺して閉塞性黄疸のある場合に減黄(黄疸を改善する処置)を行う。
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