胃切除後症候群
胃を切った後の、慢性期合併症=胃切除症候群として、1)ダンピング症候群、2)小胃症状、3)胆石症、4)貧血、5)輸入脚症候群、6)骨病変、7)吻合部潰瘍、8)逆流性食道炎、9)残胃がん、10)消化不良・下痢などがあります。
【ダンピング症候群】:早期ダンピングと後期ダンピングに分けられます。早期ダンピングは、食後20-30分で生じ、1-2時間持続します。原因は、高張な食物が急速に腸管に入ることで、浸透圧差により細胞外液が、腸管内腔に移行し、その結果、循環血液量が一時的に減少することで、めまいや頻脈などが起こってきます。
また、急速な腸管壁の伸展により、セロトニン、ブラジキニン、ヒスタミンといった消化管ホルモンが分泌され、腹痛、嘔吐、発汗、顔面紅潮などが起こってきます。対策は、食事回数を増やし、1回の摂取量を減らす(ゆっくり時間をかける)、糖質を減らし、食事中の水分を控える、消化管運動抑制薬や消化管ホルモンの拮抗薬を投与します。
後期ダンピングは、食後2-3時間で生じ、30-40分持続します。病態は、食事による一過性の高血糖が起こり、インスリンが過剰に分泌され、二次的な低血糖により、発汗、頻脈、全身倦怠感、手指振戦、時に失神や痙攣が起こってきます。対策は、食事療法(高蛋白、高脂肪、低糖質食および食事回数を増やす)です。
【小胃症状】:胃の切除量に応じて、胃の貯留能が低下します。少量の摂食で心窩部(みぞおちのあたり)膨満感や左肩痛、悪心などが現れることもあります。
【胆石症】:胃切除時によって、通常、迷走神経が切離されます。また、コレシストキニン(CCK:cholecystokinin)の分泌低下と相まって、胆嚢収縮能が低下します。その結果、胆汁のうっ滞や胆道感染が起こり、胆嚢結石(ビリルビン結石が多い)を形成しやすくなります。胃切除の約20%(胃全摘では更に多い)に発生するといわれ、予防的に胆嚢を摘出する施設もあります。
【貧血】:胃を切除すると、壁細胞から分泌される内因子が減少し、ビタミンB12の吸収が阻害されます。その結果、巨赤芽球性貧血を引き起こします。また、胃酸の分泌が減少すると鉄の吸収に必要なイオン化が阻害され、鉄欠乏性貧血が生じます。対策として、ビタミンB12の注射や鉄剤の経口投与が行われます。
【輸入脚症候群】:胃切除後にビルロートII法やルーワイ法で再建した時、盲端となる十二指腸から吻合部までの部分を輸入脚と言います。この部分に溜まった胆汁や膵液、食事内容が逆流して嘔吐を引き起こしたり、輸入脚の中で増えた腸内細菌によって吸収不良(blind loop syndrome)を起こしたりします。
【骨病変】:胃酸の減少や小腸の細菌叢の変化によって、カルシウムが吸収されにくく なります。また、脂肪の吸収障害によりビタミンDが低下して骨基質へのカルシウムの沈着が障害されます。そのため骨塩量の低下をきたし、骨軟化症となり骨粗鬆症につながります。牛乳のカルシウムは吸収されやすく、補給に適していまが、胃切除 後の小腸粘膜は乳糖分解酵素が欠乏しており、乳糖不耐症による下痢などの症状に注意が必要です。対策として、乳酸カルシウムと活性型ビタミンDが投与されます。
【吻合部潰瘍】:胃酸分泌領域が多く残った場合に起こりやすく、原則として吻合部の小腸側(肛門側)に起こります。対策として、H2レセプターやプロトンポンプインヒビター(PPI)が投与されます。
【逆流性食道炎】:通常の逆流性食道炎(胃酸の逆流)と違って、胆汁・膵液などのアルカリ性の消化液の逆流によって引き起こされます。これは胃全摘後には必発ですが、胃切除では残った胃の量により、酸の逆流が原因の時もあります。対策として、膵酵素阻害剤やPPIが投与されます。
【残胃がん】:胃切除後は、胆汁や膵液を含む十二指腸液の胃への逆流が起き、残胃粘膜に萎縮性胃炎や腸上皮化生が起きます。そうなると、がんの発生母地となります。したがって、正常の胃よりも残胃の方が、胃がんの発生率が高まってきます。
【消化不良・下痢】:胃酸および消化酵素の分泌減少と消化機能の低下が原因です。胃酸が減少することにより、消化酵素の活性化にも影響を及ぼします。また、手術による迷走神経の切除が原因で消化管運動が低下し、消化管ホルモンの分泌が変化します。消化が不十分のまま食物が小腸に流れ込むと下痢を起こします。
胃切除後の慢性期合併症は上記のようにいろいろありますが、大きな問題としては、輸入脚症候群がひどくなった時(緊急手術が必要)と残胃がんの発生です。他の問題は、食習慣と、薬物療法で概ね対応可能です。
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