医療の常識は時にドラスティックに変わる(外科編)

医療の常識は時にドラスティックに変わる(外科編)

医療の常識と非常識は、四半世紀もあれば、時にドラスティックに入れ替わります。1980年代と現在を比較し、外科領域をいくつか取り上げてみます。

 

偉大な外科医は大きな傷を好む。グレートサージャン=ビッグインシージョン(大きな切開)。といった格言がありました。これは確かに、手術は、視覚、触覚をフルに使って、解剖を確認しながら安全に行うという基本に合致します。

 

一方で、1987年フランスの外科医Mouretが世界で初めて腹腔鏡下胆嚢摘出術(ラパコレ)を行い、当初は、「ビデオモニター下で、臓器を触らず、手術を行うとは危険極まりない、このようなリスキーな手術はすることなかれ」と先輩から言われたこともありました。しかしながら、この手術の整容性(キズの少なさ)と低侵襲性(回復の速さ)の圧倒的メリットが世界に瞬く間に浸透し、今では、どこの国の外科の教科書にも、有症状胆嚢結石症に対する第1選択肢はラパコレと書かれています。

 

患者さんに治療法を説明するとき、「うちの教授がこう言ってるから、あるいはこの分野の大先生がこう言っているから」といった具合に説明し、同意を取ることがしばしばありました。

 

今頃そういった説明では、全くもって通用しません。まずは、診断のプロセスを血液検査や画像をもって説明し、例えば消化器がんであれば、治療ガイドラインに沿って、「このステージであれば、この治療がエビデンス(科学的根拠)に基づいた第1選択肢となる治療法です」、となります。次に、この治療を、年齢、性別、随伴疾患の有無、開腹歴の有無など全く違う、「あなた」に選択した場合、NCD(日本外科学会が全国から集めたデータ、National Clinical Database)に照合すると、手術死亡率は○%となり、当院のデータは○○となり、といった説明が必要です。

 

私が初心者外科医のころ、キズ(創)の消毒は、イソジンやヒビテンといった消毒薬を、おなか一杯に塗りたくっていました。包交(包帯交換のこと)と称して、縫合部やドレーン刺入部を中心に、円を描くように、キズをばい菌から守るため(創感染防止)という大義の元、これを毎日行っておりました。

 

今、これをやったら、問題です。ICT(Infection Control Team、病院内の感染を見張るチームのこと)からクレームが来ること必至ですし、消毒薬は創の2次感染を抑止できないどころか、あきらかに創傷治癒に有害となるからです。今では、手術48時間後にガーゼや創の被覆材をはずし、その後は創の観察とガーゼでカバーするくらいに留めています。

 

抗生物質は、細菌感染症に対する治療薬ですが、外科領域では、「予防的」と称して抗生剤を手術時に使用します。以前は、手術後から、広範囲スペクトラムをもつ(言い換えれば、高価で、鋭く良く効く)抗生剤を、手術後長い時は2週間くらい使うことがありました。「ここまで投与すれば、術後感染は起こらないだろう」という希望的観測と、抗生剤使用による治験で、製薬会社から寄付金を頂くといった名目もありました。

 

その結果、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)感染、偽膜性腸炎、耐性菌による抗生剤抵抗性の2次感染などが、臨床的に大きな問題となりました。

 

今では、予防的抗生剤の使用基本は、手術直前に、第1または第2セフェム系、ペントシリン系などの安価で、鋭さは、さほどない抗生剤を、可能な限り少ない回数使うということになっています。そして、2次感染(SSI: Surgical Site Infection)が起これば、起炎菌を想定し、広域スペクトラムを持つ抗生剤を使う、または起炎菌を同定し、感受性を持つ抗生剤を改めて使う、ということになっています。

 

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