膵臓がん症状
症状に乏しく、癌が進行するまでは無症状のことも多い。進行するにつれ、腹痛、食欲不振、体重減少。症状発現時、進行度Stage IVb、つまり切除不能が約半数を超える。膵頭部癌では、総胆管への浸潤により閉塞性黄疸（尿濃染、白色便、皮膚掻痒感）、Courvoisier（クールボアジェ）徴候（胆嚢の無痛性腫大）、膵体尾部癌では、腰背部痛。
膵臓がんの症状の中に、糖尿病の急性発症、急性増悪（HbA1cの急上昇）が意外と多くあります。膵臓がんが発生することによって、主膵管（膵臓のほぼ真ん中を通っている管）が閉塞を受け、閉塞した部位より尾側の膵臓が、随伴性膵炎を併発し、膵機能が衰えることによるものだとされています。
腹痛や体重減少、背部痛（膵臓は後腹膜下にあり容易に背中側の神経に浸潤するため、腹痛よりは背部痛になることがしばしばあります）が出現すると、まずは切除不能（手術ができない）となることが多いです。そうなると生存率が著しく落ちます。
膵頭部がんでは、遠位胆管を巻き込むため閉塞性黄疸が出現することがあります。閉塞性黄疸の血液生化学検査の特徴は、ビリルビン、中でも直接ビリルビン値が上昇します。
総ビリルビン値が3mg/dLを超えると、眼球結膜（白目のこと）が黄色くなり、尿が褐色を呈してきます。5mg/dLを超えると全身の黄染が出てきますし、胆汁が十二指腸へ流れなくなるため、灰白色便（兎の糞のような灰白色の便）となってきますし、全身の掻痒感が出てきます。
閉塞性黄疸は、膵頭部がんに特徴的な所見でなく、遠位胆管がん、十二指腸乳頭部がんなどによっても起こってきます。閉塞性黄疸の疑いがあれば、直ちに医療機関を受診すべきです。
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