消化器外科手術後合併症(消化器以外)
消化器手術の急性期合併症として、むしろ怖い(避けたい)ものの多くは、消化器以外の合併症です。これらの中には、しばしば致死的となるものがあります。
急激に発症し、死に至る可能性のある合併症の中には、周術期心筋梗塞、急性心不全、心室性不整脈といった循環器系、肺血栓塞栓症、緊張性気胸、急性肺障害といった呼吸器系、高浸透圧性非ケトン性昏睡といった代謝系、MRSA感染症、敗血症性ショック、播種性血管内凝固症候群(DIC)といった感染・血液系の合併症などがあります。
これらの多くは、術中もしくは術後急性期のある日突然、予兆なしに発症します。(急性肺障害や感染・血液系の合併症は、前触れが大体あります。)したがって、発症直後は本人、家族、医師、看護師を含めて、「いったい何が起こった?」と大きく戸惑います。
症状を解析し、緊急かつ同時進行で、基本的血液検査、血液ガス分析、胸部X線検査、心電図などのルーチン検査を行った時点で、大方診断はつきます。
引き続き、原因を検討し、原因除去が速やかにできれば、速やかに回復する合併症もあります。
例えば、低K血症で、心室細動(心室性重症不整脈)に至り、除細動、抗不整脈剤投与と共にカリウムの持続投与(KCLを静注すると心臓が止まる可能性があるので絶対禁忌です)で復す場合。
一方で、原因が判明しても、重症のあまり救命できないこともあります。例えば、重症の肺血栓塞栓症で、右心不全と呼吸不全で経皮的体外循環(PCPS)を挿入し、カテーテル下血栓吸引療法および血栓溶解療法をしても救命できない場合。
こういった消化器系以外の重篤な合併症は、手術前の脳・心・肺・肝・腎・代謝・血管系に対する耐術能チェックによって、ある程度は可能性を推測予知でき、しかも、防止マニュアルに沿ったクリティカルパスによって予防対策を万全に講じるわけですが、それでも起きるときは起こってしまいます。
一方で、予防対策がこうした周術期の急性期合併症を明らかに抑え、手術成績の向上に寄与していることは間違いありません。
運悪く起こってしまうと、家族側としては、「何でこんな事に成るの?」となります。医療者の真摯な態度が、当然基本となりますが。状況次第では訴訟に発展します。
論点は、「医療者に明らかなミスがなかったか?」となると思います。換言すれば、不可抗力的な合併症と判断されれば、医療者側の敗訴はないでしょうし、予知、手術、周術期管理、対応のいずれかに、明らかなミスがあれば、医療者側に相応の賠償が求められるでしょう。
致死的とはならずも、よく見られるおなか以外の急性期合併症として、肺炎、尿路感染、嗄声(声がかすれること)、術後せん妄、上肢・下肢末梢神経麻痺などあります。
この他にも、頻度の低いものを上げれば、きりがないほどあります。この中で、せん妄は非常にしばしばみられます。大体、まじめで融通の利かない(例えば、あくまでも例えばですが、学校の先生とか)高齢男性で、術後急性期ICUやHCU(ハイケアユニット)など、拘禁状態の時に起こりやすく、ほぼ一様に、「天井に虫が這っている」とおっしゃいます。これには、家族の方もびっくりされますが、状態が安定してくると、必ず良くなります。
消化器外科手術そのものによる合併症以外の、特に致死的合併症は忘れた頃にやってきます。
説明と同意の機会では、必須の項目で、私もまたその時に改めて、これらの合併症を念頭に置いて、手術に臨むことにしています。
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