外科治療戦略の構築と実施
患者さんが、手術が必要とされる病気になったと仮定しましょう。その時、外科医はどういうふうに治療戦略を構築し、実施していくかを概説してみます。
60歳、男性。次第にひどくなる心窩部痛(みぞおちあたりの痛み)を主訴として、A消化器内科クリニックを受診しました。クリニックの医師は、診察した後、腹部超音波検査(腹部エコー)と上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を推奨、実施すると思います。
腹部エコーでは異常ありませんでしたが、胃カメラで、胃体下部、大弯側に潰瘍を伴う限局隆起性病変(Borrmann 2型)の腫瘤が見つかりました。当然医師は生検を行います。
生検の結果は、中分化型腺癌(tub2)でした。次に行うのは進展度診断で、通常造影CT検査が選択されます。クリニックにCTがある場合は、そこで行われるでしょうし、無い場合は急性期病院に紹介されます。
そこで、壁進達度MP〜SS(固有筋層〜漿膜下層)、リンパ節転移、遠隔転移なしと診断されたとしましょう。この場合ステージはIB〜IIA(T2〜T3, N0, M0)となります。
ここで外科にコンサルトされます。通常ステージIB〜IIAであれば、定型手術(幽門側胃切除+D2リンパ節郭清、ビルロートI法or Roux-en-Y再建)が選択されます。
さて、これからです。既往歴(手術歴含む)、耐術能評価(心・肺・肝・腎機能及び栄養評価)から、安全性に大方の問題ないかチェックします。次に、開腹で行うか腹腔鏡で行うか検討します。進行胃がんに対する腹腔鏡下手術の根治性は、未だ議論の余地ある(Controversial)領域です。すなわち、がん外科治療の基本的問題の“根治性”が担保されるかということです。
自信のある外科医(例えば内視鏡技術認定医を胃手術で取得した場合)であれば、腹腔鏡手術を推奨するでしょうし、腹腔鏡手術に自信のない外科医や根治性第1と考える外科医であれば、開腹での定型手術を推奨するでしょう。
さらに、診療ガイドラインや科学的根拠(EBM :Evidenced based medicine)に照合し、患者さんの社会的背景や知的レベルを考慮し、IC(インフォームドコンセント、説明と同意)の機会を作ります。
ICの場では、日本外科学会NCD(National Clinical Database)のデータ(手術死亡率や合併症の種類及び発生率)や自院のデータを開示し、外科医自身の経験、技量に応じた推奨される外科治療の詳細と合併症などを提示するでしょう。
これで患者サイドの署名が得られれば、私は外科治療の90%以上はすでに終わったものと思っています。後は、手術前日の深酒はもちろんせず、淡々と、手順に従って手術をするだけとなります。術後管理はもちろん重要ですが、手術それ自体で患者さんの予後はほぼ決定されます。
外科医歴30年の私見が、入っていることは否めませんが、大方こう考えています。
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