栄養管理の重要性
手術成績の鍵を握るのは、周術期(術前・術後)の栄養管理だと私は思っています。栄養管理が上手くいくと、大きな手術侵襲にも耐術し、回復には、時間と体力がかかる重篤な合併症も、乗り越える抵抗力が備わってきます。
栄養の評価は、通常、1)身体測定、2)血液検査、3)免疫学的指標の3つの視点から行われます。身体所見では身長、体重、BMI、上腕三頭筋部皮下脂肪厚、上腕周囲長などが、血液検査ではアルブミン、コレステロール、コリンエステラーゼ、トランスフェリン、プレアルブミン、レチノール結合蛋白などが、免疫学的指標では総リンパ球数、遅延型皮膚反応(PPD)などがあります。
担がん患者さんに対する、消化器外科手術を行う際に、汎用されている栄養評価として、小野寺のPNI(prognostic nutritional index、予後栄養指数)があります。これは、10×アルブミン値+0.005×総リンパ球数によって算出され、目安として、PNI>40:切除吻合可能、PNI<40:切除吻合禁忌となります。
あくまでも目安ですので、例えば、大腸がんの患者さんが、アルブミン値:3.2 g/dl、総リンパ球数:1000/μlとしましょう。小野寺PNIは37となり、「40未満だから手術はしません、或は手術をしても縫合はできず、100%人工肛門となります。」というわけでもありません。栄養評価のスクリーニングツールは、世界中にいろいろありますが、私は、担がん患者さんに対する消化器外科治療を行う際には、術前の体重減少の把握と小野寺PNIが栄養評価の基礎となると考えています。
栄養管理の方法は、大別して経腸栄養と経静脈栄養があります。
栄養のクオリティから言えば、経口栄養>経管栄養>中心静脈栄養>末梢静脈栄養の順になります。
1980年代中心静脈栄養(TPN、大きな静脈から十分なカロリーと必要栄養素を投与する栄養法)の普及により、手術成績が飛躍的に伸びました。例えば、それまでは、胃全摘などで縫合不全を合併すると、栄養がじり貧となって、致死的となっていました。TPNにより何とか乗り切れるようになりました。
ところが、TPNには、腸管粘膜の萎縮とbacterial translocation(腸管内の細菌が血中に移行すること)、カテーテル敗血症、高血糖、ビタミン・微量元素欠乏など、様々な問題が浮き彫りになってきました。
現在では、術前絶食期間を短縮し、術後なるべく早く腸管を使うERAS:enhanced recovery after surgeryの概念が栄養管理においても主流となってきました。
栄養管理の実際としては、消化管再建を伴う高侵襲度の手術(食道がん根治術や膵頭十二指腸切除)や高リスク患者(超高齢者、重症糖尿病、ステロイド内服、慢性腎不全など)の中〜高侵襲手術時には、栄養瘻(通常は腸瘻)造設を行います。
こういった以外の手術は、ほぼ末梢静脈栄養と早期の経口摂取で対応可能とみています。中心静脈栄養の役割は、栄養補給というよりはむしろ、薬剤投与の経路にシフトしてきています。
経腸栄養剤は、腸管機能が保持されていれば、半消化態栄養剤を用い、時に免疫賦活経腸栄養剤を使用します。免疫賦活栄養剤とは、アルギニン、グルタミン、n-3系脂肪酸、核酸といったいわゆる免疫賦活栄養素が強化された栄養剤です。
ASPEN(American Society for Parenteral and Enteral Nutrition)ガイドラインに基づく栄養療法のアルゴリズムを以下に記します。
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